再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
そう考えたら、不安やプレッシャーもある。
でも、テツのことが本当に好きだから、私も努力し成長していけたらと思う。

分からないことがあれば、テツママに教えてもらえばいい。
先はまだ長いんだから、焦らずひとつずつ覚えていこう。

「哲平、お前の気持ちは分かった。後悔のないよう、できることをやれ。私たちも力になる」

テツの父親はそう言って、彼の肩を軽く叩いた。

ふと周囲を見ると、私たちを囲むように人の輪ができていた。
今日の主役である社長と、その家族が同じ場所にいるんだから、注目されないわけがない。
それに気づいたテツが、小さく息を吐く。

「親父、そろそろ帰ってもいい? 一通り挨拶は済ませたから」

「ああ。あとのことは気にしなくていい」

「助かる。美桜、行こうか」

テツが私に視線を向けてきた。
私は改めて彼の両親へ向き直る。

「今日はこれで失礼いたします。また後日、改めてご挨拶にうかがいます」

「美桜ちゃん、いつでも待っているわ。今日は来てくれてありがとう」

「美桜さん、哲平のことをよろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いいたします」

二人に丁寧に頭を下げ、周囲にいる人たちにも軽く会釈する。
そのとき、不意にテツが私の手を握った。
触れた指先から彼の温もりが伝わってきて、心臓が跳ねる。

「行こう」

その声に小さく頷くと、私は手を握り返し、テツと並んで会場をあとにした。
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