再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
パーティーから二週間後。
いつものように仕事をしていると、副社長から声をかけられた。

「美桜ちゃん、悪いんだけど会議室の片付けお願いしてもいい?」

「はい、分かりました」

声のした方へ視線を向けると、会議室から打ち合わせを終えた人たちが、次々と出てくるところだった。
資料を片手に話し込む人もいるので、全員が出て来てから片付けた方がよさそうだ。

「あ、それともうひとつお願いがあって」

「なんでしょうか?」

「来週の金曜に弁当が必要なんだけど、美桜ちゃんが前に働いていた惣菜店で注文してもらってもいい? あそこの弁当は美味しくて好評だから」

「もちろんです!」

思わず声が弾んだ。
おじさんの店の味を褒められると、自分のことのように嬉しくなる。

「メニューって分かる?」

「はい。ネットでも見れますよ」

私はスマホを取り出し、ブックマークしていた店のホームページを開く。
弁当のメニューを表示させていると、副社長が覗き込んできた。

「へぇ、たくさん種類があるね。前は緑ちゃんにお任せだったから」

すぐそばで声がして、肩がビクッと跳ねた。
距離の近さに加え、副社長からふわりと漂う香水の匂いに落ち着かなくなる。
さすがに『少し離れてください』なんて言えない。
今さらながら、パソコンで開けばよかったと後悔した。

「あの、よければ……」

手に持っていたスマホを副社長に差し出そうとしたとき、バシッとなにかを叩く音が耳に届いた。
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