再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「イテッ」

副社長が頭を押さえながら、私から一歩離れた。

「哲平、なにするんだよ」

振り返ると、そこには無表情のテツが立っていた。

「なにって、お前が近すぎたから」

「だからって叩くことないだろ、叩くことは!」

「だって、美桜が困ってたから仕方なく」

平然と答えるテツに、副社長は呆れたように言う。

「お前、独占欲強すぎない?」

テツはその言葉には答えず、私の方を見た。

「美桜、今日はどこかで食事してから帰ろうか」

「えっ」

不意に名前を呼ばれ、心臓が跳ねる。

周りに視線を向けると、恵利さんと目が合った。
ニヤニヤと意味ありげに笑われて、顔が一気に赤くなる。
――やっぱり聞かれてた。

こういう話はメッセージで送ってと言っているのに、どうしてわざわざ口に出して言うんだろう。
恥ずかしさで、今すぐこの場から逃げ出したくなる。

「おいこら、俺は無視か?」

副社長がテツの頭を軽く小突と、うっとおしそうにその手を払う。
そして、テツはわざとらしくため息をつき、急に畏まった口調で話し出す。

「副社長、こんなところでサボってないで仕事に戻られたらどうですか?」

一瞬、どの口が言っているんだと突っ込みたくなった。
吹き出しそうになるのを堪えながら、二人のやり取りを見ていた。
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