再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
その日の仕事を終え、私は前に働いていた『和田さん亭』へ向かった。
副社長に頼まれた弁当の注文をするついでに、おばさんたちの顔も見たかったからだ。

最近、斉藤さんが弁当を買いに来ていないという話を聞いていた。
そのことが少し引っかかったけど、彼が来ていたのは昼時だった。
夕方なら鉢合わせすることもないだろう。

営業先に出ていたテツに【弁当の注文のついでに和田さん亭に行く】というメッセージを送ってから事務所を出た。

店に入ると、懐かしい顔ぶれが出迎えてくれた。

「美桜ちゃん、久しぶり」

おじさんやおばさん、パートの人たちに次々と声をかけられ、私は笑いながら近況を話した。
変わりなく元気にやっていると伝えると、みんな安心したように表情を緩める。

「話は聞いていたけど、実際に会って話すと安心感が違うわ。美桜ちゃん、またいつでも顔を見せに来てね」

「もちろんです」

笑顔でそう答えたあと、弁当の注文を済ませる。

「それじゃあ、また来ますね」

手を軽く振りながら『和田さん亭』をあとにした。

駅に向かって歩いていたら、スマホが震える。
テツからのメッセージだった。

【今、終わった。どこにいる?】

画面を見て、自然と頬が緩む。

【お疲れさま。駅に向かって歩いてるよ】

すぐに既読がつき、返信が届く。

【もうすぐ事務所を出るから、駅の噴水広場で待っててくれ】

私は【了解】のスタンプを送り、駅の噴水広場に足を進めた。
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