再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「運命の再会だね。よかったら、このあと食事でもどう?」
「ごめんなさい。約束があって……」
断ると、斉藤さんの顔がわずかに曇り、聞き返してきた。
「誰? この前、居酒屋で一緒にいた子?」
「ち、違います」
「じゃあ誰? まさか……男?」
鋭い視線を向けられ、喉の奥がひゅっと締まる。
返事をしなきゃいけないのに、声がうまく出てこない。
それに、正直に話すべきなんだろうか。
迷っていたら、斉藤さんはふっと表情を緩めた。
「まぁいいや。ナツキさんと話がしたかったんだ。行こうか」
そう言って、また一歩距離を詰めてくる。
嫌な予感がし、一歩後ろへ下がろうとした瞬間、左手首を強く掴まれて、思わず顔が歪む。
「大人しくして。あまり手荒な真似はしたくないから、叫んだり逃げたりしないでね。余計なことをしたら、どうなるか分からないよ」
その言葉を聞き、背筋が冷たくなった。
周囲にはたくさんの人が行き交っているけど、誰も私たちを気に留めない。
恋人同士にでも見えるんだろうか。
『どうなるか分からない』という脅しに、抵抗することも、誰かに助けを求めることもできない。
私は手首を掴まれたまま、斉藤さんについていくしかなかった。