再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
テツの判断の速さと行動力には、驚くばかりだ。
ふと彼を見ると、額にまだうっすらと汗が残っている。
私はバッグからハンドタオルを取り出して、そっと差し出した。
「これ、使って」
「サンキュ」
テツは受け取ると汗を拭いた。
その姿を眺めていたら、肝心なことを伝えていなかったことに気づく。
「テツ、来てくれてありがとう」
彼は一瞬目を丸くしたあと、柔らかな笑みを浮かべた。
「当然だろ。でも、思ったより話が通じる相手で助かったよ。もっと食ってかかってくるかと思ったけど、案外あっさり引いてくれたし」
「ホントだよ。あんなこと言うからヒヤヒヤしたんだからね。もし、相手が殴りかかってきたらどうするつもりだったのよ」
口にした瞬間、さっきの恐怖がよみがえる。
もし、少しでも状況が違っていたら、どうなっていたか分からない。
テツが怪我をする可能性だってあったのに、と思ったら胸がざわついた。
私の心配をよそに、彼はあっけらかんと言った。
「そんなの、返り討ちにしてやるよ」
「は? 返り討ちってよく言うわね。弱かったくせに」
昔は私の方が強くて、泣き虫なテツをいじめっ子から守ってあげていた。
呆れ半分で言い返すと、彼は不満そうに眉をひそめる。
「バカ言うな! あれは幼稚園や小学校の低学年の頃の話だろ」
ムッとした顔で言い返してくる。