再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「美桜を守れるようになりたくて、俺は変わったんだよ。空手も習ったし、人知れず体だって鍛えてたんだからな」
心外だと言わんばかりにジロリと睨まれる。
――美桜を守れるようになりたくて。
その言葉に心臓が跳ねた。
しかも、体を鍛えてると言われて、嫌でも思い出してしまう。
細身なのに、しっかりと筋肉のついた体つき。
さっき、私を庇うように前へ出た、広くて頼もしい背中……って、一体なにを考えているんだろう。
慌てて頭を左右に振り、余計な思考を追い払う。
「話を戻すけどさ、あいつ身なりはきっちりしていたし、靴もちゃんと手入れされてたんだ。だから、たぶん几帳面で真面目なタイプなんだろうなって思ったんだよ」
靴?
あの短いやり取りで、そこまで見ているとは思わなかった。
「あいつが納得できるように、筋の通った話をしながら、別の方向に意識を向けられないかと思ったんだ。それに話を聞いている感じだと、励ましには弱そうだったから、そこを突いてみた」
テツは肩をすくめながら、さらりと言う。
冷静に相手を観察して、身なりや話し方からどんな人間なのかを見極めて、あの場で最善だと思う言葉を選んでいたんだ。
テツの判断力にも驚かされたけど、人を見る目も優れているんだなと思った。
「ぶっちゃけ、一か八かだったけど上手くいってよかったわ」
そう言って、テツは笑う。