再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
そうだ、一言文句を言ってやらないと気が済まない。
「テツ、私、傷ついたんだからね」
「それについては本当にごめん」
テツは素直に頭を下げる。
「謝ってくれたから許してあげるけどさ、好きな人からあんなこと言われて、すっごい泣いたんだからね」
もし、テツと再会してなかったら、いまだに恨んでいただろう。
頬を膨らませながら言うと、テツが一瞬目を見開いた。
「美桜、さっきの言葉をもう一度言ってくれ」
さっき?
なんのことだろうと首を傾げ、考える。
「あんなこと言われて泣いたんだから……だっけ?」
「違う、その前。なんて言ったんだ?」
テツが焦れたように促す。
「その前? うーん……あっ、好きな人からあんなこと言われて、だったかな」
これかなと思って口にすると、すかさず尋ねてきた。
「好きな人って、俺のことか?」
「そうだよ。テツは私の初恋なんだから」
何気なく答えると、テツの口元がふっと緩む。
その嬉しそうな顔を見ると、なんだか癪に障って眉をひそめる。
「なに、ニヤニヤしてるの?」
「はぁ? ニヤニヤなんてしてないから」
テツはそう言うと、気まずさを誤魔化すように私の鼻を摘まんだ。
「痛っ、やめてよ」
手を振り払って睨むと、テツは悪びれもせず、どこか楽しそうに笑っている。
なんなのよ、もう。
そう思った瞬間、ふとバーでの会話が頭をよぎった。