再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「ヒッ!」

体がビクリと跳ね、思わず変な声が出る。

テツがゆっくり起き上がると、裸の上半身が視界に入る。
細身なのにしっかり筋肉はついていて、バランスのいい体つき。
あれ、左腕に引っかき傷みたいな赤い筋がある。

「あぁ、これか」

私の視線に気づいたテツは、左腕を軽く擦る。

「痛みはないから気にするなよ」

どういうこと?
まさか、私が引っかいた、ということなんだろうか。

昨日の記憶はまだぼんやりとしているのに、逃げられない現実が、はっきりと答えを突きつけてくる。

「あの、もしかして私たち……」

「覚えてないのか?」

テツの表情がわずかに歪む。
呆れたというか、困惑したような顔だ。

「バーで飲んだのは覚えてるよ」

「そのあとは?」

「えっ、いや、その……」

言葉に詰まり、視線をさ迷わせる。
この状況で覚えていないとは言いづらい。
けれど、思い出そうとしても、なにも浮かばなかった。

「覚えていないなら、体に聞いてみる?」

「か、体って……」

動揺している私を見て、意地悪な笑みを浮かべると、腕を掴んで引き寄せてきた。
テツの顔が間近に迫ってきたと思った瞬間、私の唇に柔らかな感触があった。
触れたのは、ほんの一瞬だったけど、今の私には効果は絶大だ。

「どう、少しは思い出した? 昨日はもっと濃厚なやつをしたけど」

テツはニヤリと口角を上げる。

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