再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「いや、そのことについては謝ってもらったから」

「じゃあ、美桜は許したの?」

「うん、まぁ」

曖昧に頷きながら、グラスに視線を移す。

許したのは本当だ。
だけど、身体まで許したとは口が裂けても言えない。

さつきは昔から真面目で、曲がったことが嫌いな性格だ。
きっと、正直に話したら呆れられるか、怒られそうだ。

さつきは、公務員の彼氏と付き合っている。
来年のさつきの誕生日に結婚することが決まっていて、羨ましい限りだ。

「それだったら私はなにも言わないけど」

さつきは不服そうに口を尖らせる。

「そうだ、忘れないうちにこれ」

ふっと表情を緩めると、紙袋を私の方に差し出してきた。

「この前、誕生日だったでしょ。プレゼント」

「わぁ、ありがとう」

「開けてみてよ」

受け取った紙袋の中を見てみると、ハンドクリームやバスソルトなどの詰め合わせが入っていた。
パルテルカラーのパッケージで、見た目も可愛らしい。

「ゴム手袋してるとはいえ、手は荒れるでしょ。香りもいいし、保湿力も抜群みたいだから選んでみた」

「ありがとう。すごく嬉しい。大切に使わせてもらうね」

冬は手がひび割れたりして荒れていた。
今はだいぶ落ち着いてきているけど、ハンドクリームは私には欠かせないものだった。
さつきの気遣いに感謝だ。

「それにしても、美桜って男運ないよね。鳴海には暴言吐かれるし、初めての彼氏に二股されるとか最悪じゃん」

さつきは、呆れたように肩をすくめる。
< 47 / 245 >

この作品をシェア

pagetop