再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「ちょっと、あの人なんなの?」

さつきが、こちらに背を向けて座る男性を見ながら言う。
その視線は鋭くて、どこか警戒をしているようだった。

「最近、よくうちの店に来る人だけど」

「ちょっとヤバくない?」

その言葉にグラスを持つ手が一瞬止まる。

「なにが?」

「あの人、美桜のことしか眼中になかったよ。私のことなんて、最初から見えてない感じだった」

言われてみれば、そうだったかもしれない。

「確かにめんどくさい人でイラついたけど、あの人はお客さんのひとりだし、私は興味ないから」

そう言いながら、ジンジャエールを飲む。
今日はノンアルコールだ。
つい最近、お酒に酔って記憶をなくした前科があるので、当分の間は控えようと思っている。

「興味ないって言ってるけど、向こうは美桜に興味津々だったよ」

さつきはチラリと男性を見て、話を続ける。

「なんか目が怖かったから、気を付けた方がいいかもよ。今後も、偶然を装って会うってこともありえそうじゃない?」

確かに、以前からあの人に対していろいろ引っかかる部分はある。
でも、決定的な出来事があったわけではない。

気のせいかもしれないし、今の段階ではなんとも言えない。
これ以上、考えても仕方がない気がした。

「さすがに考え過ぎじゃない? 店以外で会うことは、もうないと思うよ」

そう言って、軽く笑ってみせた。
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