再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
謝罪すると、少しの沈黙のあと、美桜は笑顔を浮かべた。
『……ありがとう。ちゃんと謝ってくれたから、もういいよ』
その言葉を聞き、俺は安堵から大きく息を吐いていた。
そして、俺たちの関係を変える出来事が、そのあと起こってしまう。
酔っているのか、美桜は俺の家で飲み直そうと言い出した。
言っている意味を分かっているのか?
返事を曖昧に濁すと、俺に彼女がいるから家に呼べないんだろうと言ってきた。
彼女か……。
そういう存在はいない。
高校三年のとき、文化祭の企画でミス&ミスターコンテストがあり、俺は不本意ながらミスターに選ばれてしまった。
ステージに上がるように言われ、渋々それに従う。
その場のノリで、ミスに選ばれた同じクラスの女子と付き合え、というヤジが飛んできた。
その女子も断ればいいのに、『鳴海くんと付き合いたい』と言いだした。
全校生徒の前で断るのも酷かと思い、形だけでもというつもりで、その場を乗りきった。
でも――
次の日から、その女子はすっかりその気になっていた。
『一緒に帰ろう』とか『昼も一緒にご飯を食べよう』と、当然のように言ってきて、彼女のように振る舞ってくる。
容姿もいいし、周りからも人気があるかもしれないけれど、俺の気持ちは一ミリも動かない。
正直、きつかった。