再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
思わず、抱きしめて腕の中に閉じ込めたくなる。
それよりも、どうしても確かめたいことがあった。
その答え次第で、俺の行動も変わってくる。
美桜に好きな相手がいるのか気になった。
だが、返ってきたのは好きな人はいないという答えだった。
しかも、誰とも付き合ったことがないと聞いた瞬間、はっと息をのんだ。
勝手に、恋人はひとりや二人ぐらいいたものだと思っていた。
嬉しい誤算だ。
だったら、今しかないだろ。
「じゃあ、俺と付き合う?」
軽い感じで、できるだけ重くならないように伝えたけど、本心であることに変わはない。
美桜と付き合いたい。
だけど、その返事はすぐにはもらえなかった。
昔は俺のことを好きだったけど、今は再会したばかりで、自分の気持ちが分からないという。
そう言われれば、確かにその通りだ。
「だったらキスしてみる?」
気がついたら、口が先に動いていた。
バカなことを言っている自覚はある。
だけど、嫌いな相手と唇を重ねるなんて、普通はできないはずだ。
もし受け入れてくれるなら、俺への好意が多少なりともあるかもしれない。
もちろん、断られると思っていた。
ただ、少しでも美桜に俺のことを意識して欲しかったんだ。
それなのに、美桜は……。
「いいよ」
そう言って、静かに目を閉じた。
嘘だろ。
酔っているからなのか?
本当にいいんだろうか。
目の前の状況に戸惑いながらも、ゆっくりと顔を近づける。
そして、美桜の唇に触れるだけのキスをした。