再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~

思わず、抱きしめて腕の中に閉じ込めたくなる。
それよりも、どうしても確かめたいことがあった。
その答え次第で、俺の行動も変わってくる。

美桜に好きな相手がいるのか気になった。
だが、返ってきたのは好きな人はいないという答えだった。
しかも、誰とも付き合ったことがないと聞いた瞬間、はっと息をのんだ。
勝手に、恋人はひとりや二人ぐらいいたものだと思っていた。
嬉しい誤算だ。

だったら、今しかないだろ。

「じゃあ、俺と付き合う?」

軽い感じで、できるだけ重くならないように伝えたけど、本心であることに変わはない。

美桜と付き合いたい。

だけど、その返事はすぐにはもらえなかった。

昔は俺のことを好きだったけど、今は再会したばかりで、自分の気持ちが分からないという。
そう言われれば、確かにその通りだ。

「だったらキスしてみる?」

気がついたら、口が先に動いていた。
バカなことを言っている自覚はある。

だけど、嫌いな相手と唇を重ねるなんて、普通はできないはずだ。
もし受け入れてくれるなら、俺への好意が多少なりともあるかもしれない。

もちろん、断られると思っていた。
ただ、少しでも美桜に俺のことを意識して欲しかったんだ。
それなのに、美桜は……。

「いいよ」

そう言って、静かに目を閉じた。
嘘だろ。
酔っているからなのか?
本当にいいんだろうか。

目の前の状況に戸惑いながらも、ゆっくりと顔を近づける。
そして、美桜の唇に触れるだけのキスをした。

< 73 / 213 >

この作品をシェア

pagetop