再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
俺の行きつけの居酒屋で、美桜が口にしたのは、予想外の話だった。
店によく来る男性の行動が怪しいという。
美桜は『勘違いかも知れないけど』と前置きしていたけど、話を聞く限り、そうは思えなかった。
弁当を気に入って、毎日買いに来る客がいるのは分かる。
外食先で、たまたま居合わせることも偶然ならあるだろう。
だけど、わざわざ店の裏側に回ってくるのは、どう考えても不自然だ。
考えすぎならいい。
でも、もし違ったら……嫌な想像が頭をよぎる。
ストーカーという可能性をどうしても拭いきれない。
美桜がそんな状況に置かれているなんて、考えただけでゾッとする。
今はまだなにも起こってないけど、今後はどうなるか分からない。
仕事を休むように助言してくれたおばさんの判断は、間違っていないと思う。
俺の知らないところで美桜が危険な目に遭うなんて、絶対に耐えられない。
守らなきゃいけないという感情がわいてくる。
そのためには、美桜が目の届く範囲にいないと意味がない。
その男に美桜の家を知られている可能性もある。
俺の家に住むことを提案すると、黙ったまま、難しい表情で考え込んでいる。
そんなに考えることでもないだろう。
ただ頷けばいい話なのに。
こうなったら押し切るしかないと思い、『一緒に住むことは決定だ』と言い切った。
美桜を守るためなら、なんでもする。
俺はこれから始まる彼女との生活のことを考えながら、小さく息を吐いた。