再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
同じ年なのに、どうしてこんなところに住めるんだろうという疑問がわいた。

テツに聞くと、『兄貴が住んでたけど、結婚して出ていったから、俺がこのマンションを使うことになった』とのこと。

そういえば、六歳上のお兄ちゃんがいると言っていた気がする。
私の記憶にはあまり残っていないけど。

同居するにあたって、家賃を半分払うと言ったけど、すぐに却下された。

『今、無職だろ。そんなヤツに払ってもらわなくてもいい』

ぐうの音もでなかった。
とはいえ、なにもせずにお世話になるのは気が引ける。
せめて、なにかできることはないかと尋ねると、テツは少し考えてから口を開いた。

『家のことをしてくれると助かる』

その一言で、私の役割は決まった。
料理、掃除、洗濯などの家事を引き受けることにしたんだ。

この部屋で暮らし始めたばかりの頃は、外に出るたびに周囲の視線が気になっていた。
もしかしたら、どこかで斉藤さんに鉢合わせるかもしれないという不安が、頭から離れなかったからだ。

だけど、二週間以上経っても、斉藤さんを見かけたことは一度もない。
きっと生活圏内が違うのだろう。

気になっておばさんに連絡してみると、斉藤さんは私が辞めた翌日も弁当を買いに来ていたと言っていた。
私のことを聞かれたけど、仕事を辞めたと伝えると『そうですか』と言っただけで、すぐに帰ったという。
以前より頻度は減ったけど、今も変わらずに店には来ているらしい。
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