無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます
 「ま、紛らわしい言い方しないで」
 「すみません」

 即座に頭を下げられて、余計に調子が狂う。

 「そういう意味で言ったつもり、全然なくて」
 「でしょうね」
 「あ、でも」
 「フォローはいいから」

 自分でも少しきついと思いながら、そう返す。

 (期待したみたいじゃない)

 胸がちくりと痛んだ。
 幹人は申し訳なさそうにしつつも、なぜか引く気配はない。

 「でも、本当にどうですか?」
 「どうして私を誘うの? ほかにいるでしょ」

 友達を誘えばいいのだ。少なくとも天音との関わりは、友達の域にすら達していない。

 「毎年恒例の神社に行ったんですよね?」
 「まぁそうね」

 それこそ物心ついたときから毎年、両親とお参りしている神社だ。

 「たまには違う神社に足を運ぶのもいいんじゃないかと思って。寺崎さんは二回目の初詣ってことで」
 「……二回目は初詣って言わないんじゃない?」

 幹人は一瞬呆気にとられたような顔をして、それから困ったように口元を緩めた。
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