無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます
 (そういえば、なにが入ってるんだろう)

 今頃になって中身を見てみる。スポーツドリンク、ゼリー飲料、レトルトのお粥。栄養ドリンクにのど飴。それから、コンビニで買ったであろう市販の風邪薬。

 (……差し入れっていうより、看病セットだよね、これ)

 鈴川の顔が脳裏を過る。
 意を決し、インターフォンを押した。
 一瞬の沈黙。返事がないまま、がちゃりと音がして扉が開いた。

 「え、寺崎、さん……?」

 勢いよく開いた割に、立っていた幹人はどこか不安定だった。髪は少し乱れていて、顔色が悪い。なにより、声がひどく掠れている。
 思わず息を呑む。

 「どうしたんですか」
 「どうしたって……」

 一歩踏み出そうとして、幹人の身体がわずかに揺れた。

 「具合、悪いの?」
 「いや、大丈夫です」

 首を横に振るが、まったく信用できない。

 「声、ガラガラじゃない。顔色も悪いし」
 「課題やってただけで……」
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