無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます
 天音は箸を持つ手を止めた。前回帰ってきたときに、そろそろ結婚するからと話していたのだ。そのときは両親からの結婚の催促に困った末の逃げ口上だったとは思うが。

 「……あー」

 咲楽は一拍置いてから、にやっと笑う。

 「やっぱりそこ、聞く?」
 「聞くに決まってるでしょう」

 梢が腕を組む。

 「いい加減、落ち着く気はないのか」
 「落ち着く気はあるよ」

 正信にあっさり返して、咲楽は肩をすくめた。

 「だから、結婚する」
 「え?」

 天音の声が、思ったより大きく出た。

 「ほら、そうなるでしょう」

 正信はふろふき大根を口に運びながら、どこか納得した顔をしている。

 「ちょっと、みんな反応薄くない?」

 咲楽は不満そうに唇を尖らせる。

 「一応、人生の一大イベントなんだけど」
 「だって、あなたが突然すぎるのよ」
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