無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます
 (なんでそうなるの)

 返事をする隙すら与えられず、天音はお弁当のバッグを手にしたまま立ち尽くした。

 買い出しに行った幹人を無視してひとりで食べるわけにもいかず、休憩室へ向かった天音はふたり分の席が空いているテーブルの端に腰を下ろした。
 六人掛けのテーブルが十二ほどあるが、ほどよく埋まっている。同僚とおしゃべりしながら食べる人、本を読んだり動画を観たりしながらひとりで食べる人など様々だ。
 弁当の蓋を開け、箸を取る。

 (まあ、インターンだし面倒はみてあげないといけないから。これくらいは通常運転)

 自分に言い聞かせるように考えていると、足音が近くで止まる。

 「お待たせしました」

 紙袋を片手に入ってきた幹人は、そのまま迷いなく天音の向かいの席に腰を下ろした。
 袋から取り出したのは、階下のコンビニで買ってきたらしいサンドイッチとおにぎり。どちらも手軽そうな組み合わせだ。
 べつに待ってはいないんだけどなと思いながら、天音は箸を動かしはじめる。

 こうして向かい合って彼と食事をするのは、今日で二回目。ラーメン屋ともペットショップとも違うこの状況が、いちばん落ち着かない。
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