無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます
 「俺、こういうの好きなんですよ」

 そう言うと同時に、真っすぐな視線が天音を捉えた。

 「あなたは、苦手そうですけど」
 「えっ」

 やはりバレているらしい。さすがに好きな人間の反応ではないだろうから、当然といえば当然だ。
 男はなぜかうれしそうに続ける。

 「顔に書いてある」

 思わず自分の顔を手で覆った。書いてあるはずなどないというのに。

 「でも、逃げなかった」

 それは足がすくんで動けなかっただけだ。

 「自分と違う世界を否定しない人、嫌いじゃないです」

 さらりと言われて面食らう。

 「……あの」
 「はい?」
 「できれば、早めに……」

 こうなったら自分から伝える以外にない。天音は胸の前で手を組み、彼が抱いているカメレオンを恐る恐る見た。

 「あ」
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