無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます
 「カメレオンって恐竜っぽくないですか?」
 「恐竜!?」

 まぁそう言われれば、そう見えなくもない。皮膚の感じだとか、形態は〝なんとかサウルス〟みたいだ。

 「カッコいいなと思って。子どもの頃から、ああいうの好きで。図鑑とか未だに持ってます」

 少し照れたように笑いながら幹人はパンをちぎる。真剣に語るほどでもない、という顔だ。

 「意外と少年ね」

 天音がそう返すと、彼は一瞬だけ眉を上げた。

 「意外ってひどいなぁ。でも、真面目に大人やってますけどね」

 軽口のつもりなのだろうが、どこか言い訳めいた響きも混じる。

 「じゃあ、わりと少年な大人ってことね」

 パンを口に運びながら言うと、幹人は間を置いてこちらを見る。

 「それ、褒めてます?」
 「半分くらいは」

 天音が答えると、彼は小さく息を吐いた。

 「残り半分は?」
 「様子見」
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