無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます
 そう言いながら、天音は送信前の文面を一度読み返す。

 「ここ、『お手数ですが』が多いかな。ひとつで十分」
 「たしかに」

 少し笑って、幹人も修正を加える。
 気づけば、フロアの人影はほとんどなくなっていた。

 「ありがとうございました」
 「どういたしまして」

 天音は立ち上がり、時計を見た。

 「あとは明日で大丈夫だと思う」
 「はい」

 幹人は画面を保存し、深く息を吐いた。

 「ひとりだったら、たぶんもっとかかってました」
 「ばんばん頼っていいんだからね?」

 そう言うと、幹人は少しだけ照れたように笑った。
 そもそもインターンなのだから、抱え込む必要はない。

 「じゃあ……次からは頼るように……努めます」

 言いながら、照れたように視線を逸らす。〝努める〟という言い方が、ひとりで背負い込んでしまいそうな彼らしかった。
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