国宝級イケメン御曹司はフェチの所為で恋愛できない
「何だって、機嫌が悪いって誰の話?ああ皆藤か、あいつほんとにふり幅大きいよね。僕でよければ話してみようか?」

よくも暢気に他人(ヨソ)に擦り付けられるものだ。

”あんたの事だよ!“とはいえず、ニコッと笑って(地味子が笑っても威力はないが…)

「ありがとうございます。でも皆藤さんじゃなくてですね。実は今度新しくブライダル会社が立ち上がりますよね。そのカタログや宣伝用の写真のモデルを副社長にお願いしたいそうなんです」

「だれに?」

「副社長に…って今広報から言ってきたんですが、副社長はそう言うの嫌いだから無理だって言ったんです。いくら大河内エステイトリゾートに副社長の肝入りで新しく起ち上げるブライダル部門と言っても応援なんてするつもりないですもんね。お忙しいし、だから断りますね。心配しないで下さい。エステイト内に新しくできると言っても自分の所の事は人をあてにしないでやってもらわないとですもんね」

副社長の肝入りかどうかはわからないが、結構心優しい俺様御曹司はこう言われるときっと無下にはできないだろうと言う沙耶の作戦なのだ。案の定

「わかったよ。広報にプレゼンをきちんと作って持ってくるように言っておいて、日時は大丈夫か?」

「もちろん副社長のスケジュールに合わせるように伝えます。忙しい副社長がわが社の為に一肌脱いでくださるのですから(ヨイショ)」

「まさか水着とか言わないよな?」

「もちろんです。新郎新婦の撮影ですから…ご安心ください」

水着の副社長も見てみたいと言う欲求は封印した。

「わかった。ああ~面倒だなあ」

「副社長、美味しいコーヒーをお入れしてきますね」

そう言って沙耶は部屋を出て行った。

そしてすぐに携帯でありさに電話する。

ありさはコールが鳴る前に電話を取った。

「沙耶あああ~」

「ありさ!何よ今にも倒れそうな声出して、副社長OKしてくださったわよ」

「ええ~っほんと!沙耶様様だよ~~。ありがとう神様仏様沙耶様、皆に感謝しちゃう」

大音量のありさの声に携帯を思わず遠ざけた。

「もう、鼓膜が破れるわ。すぐにプレゼンか企画書持ってきた方がいいよ。機嫌悪くなる前にね。OK?」

「もちOK。すぐ行く」
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