国宝級イケメン御曹司はフェチの所為で恋愛できない
そして今日はありさと会社の近くにある会員制のバーに来ている。

ここは兄の悠一が会員なので沙耶も大きな顔をして使わせてもらっている。

副社長をうんと言わせてくれた沙耶にありさが今日は奢ってくれると言って、先程カジュアルイタリアンの店でパスタとピザを食べてきた。

そしてここにお酒を飲みに寄ったのだ。

沙耶は今日は地味子の必需品のダサ眼鏡にお団子の髪型に地味なグレーのスーツを脱いで、持ってきたおしゃれな白のノースリーブのカットソーにブルーのワイドパンツを合わせている。

白の薄いジャケットは今はカウンターの椅子の背もたれに置いている。

髪型もお団子は解いて肩まである髪の毛は少しウエーブを掛けているのでふわっと広がっている。

化粧もしっかり直して会社の人は誰が見ても地味秘書の山野辺沙耶だとは気づかないだろう。

「ほんと沙耶って大学時代から男のアプローチに辟易して地味子スタイルに変えちゃって、もったいないったらありゃしない。モデルも顔負けのスタイルに女優もしのぐ美人なのに…」

ありさはそう言うとグイっとジンレモンのショートカクテルを煽った。

「それにさあ沙耶の家族ってどうしてみんな美形なの。ママは美魔女パパはイケ叔父兄はイケメンドクター、沙耶んちの家族4人揃ってお出かけするとモーゼの十戒のごとく人が割れてくものね」

「あはは、ありさ大げさ。そんな訳ない」

ありさは大きな目に長い睫毛の可愛い系の女子なのだ。

くるくる変わる表情も可愛い。

あまり顔の表情筋が機能しない沙耶とは対照的だ。

そんな二人が一緒にいると、お誘いが煩いのだ。

カウンターに座って時々マスターとの粋な会話を楽しんだり仕事の愚痴を言ったりと休み前の気楽な時間を楽しんでいる二人だ。
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