御影市大新年会２００９
「でも」

修内太がソファに座り、烏龍茶で一息つきながら言う。

「なんかまだ物足りないよな」

「え？」

メグが彼の顔を見る。

「そうね…あの二人も呼んだ方がいいんじゃないかな」

黛がポテチをサクサク言わせながら頷いた。

「あの二人？」

蘭花がキッチンから持ってきた急須で、時貞の番茶を丁寧に淹れながら問いかける。

その横では菊花が不器用な手つきで時貞用のお茶請けの羊羹を切っていた。

この二人の恋の標的、時貞が目を光らせる。

「もしや、乙女と紅という武人二人か？聞けば相当な腕前だとか…先日修内太から聞いたぞ」

「ちょっとちょっと！」

メグが話の流れを強引に断ち切った。

「貴方達まさか、私にあの二人を召喚しろっていうんじゃないでしょうね？」

「いいじゃないか、正月だ、無礼講だ」

哲平がコーラを飲みながら言う。

「……！」

勝手に二桁近く人の家に押しかけてきておいて、まだ来客が足りないというのか。

「はいはいわかったわよっ！」

半ばヤケ気味にメグは大きく頷いた。


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