密かに… そっと…
店長に頼まれて、私は久しぶりにお昼前からバイトに入っている。
(前にランチに入った時は夏休みだったのに、もう冬休み…。時間が経つのは早いな)
忙しいランチが久しぶりで忘れているかと思ったけど、身体が覚えてるみたいですぐに感覚を取り戻した。
忙しさのあまりあっという間に時間は過ぎた。
「風香ちゃん、休憩入ってー」
「はーい」
そう言うと、休憩室に向かった。
「はぁ、疲れたー…」
椅子に座ると、ドッと疲れが押し寄せてきた。
『久しぶりに働きすぎだよ』って身体に抗議されてるみたい。
急に体が重くなり、まるで体重が倍になったかのようだった。
椅子の背もたれに体を預け、だらりと座っていると、
コンコンコンッ
ドアをノックする音が聞こえた。
「はーい」
首を後ろに倒したまま返事をする。
すると――
詩音くんが、トレーにオムライスを乗せて入ってきた。
私は突然の登場に、ガタンッと大きな音を立てて座り直した。
「詩音くん? なんでここに?」
「部活終わって帰ってきたんだ」
そう言うと、トレーを私のところまで運び、目の前に置く。
「これ、三波さんのお昼ご飯だって預かってきた」
(うわぁ、いい匂い……)
(いや、そうじゃない。お礼っ)
「持ってきてくれてありがとう」
「俺も腹減ったな。何かもらってくる」
そう言って、詩音くんは再び休憩室を出ていった。
(『俺も』だって)
(『腹減った』だって、ふふっ)
(可愛いなぁ……)
そして、そこでようやく気づく。
(えっ? ってことは……)
(ここで一緒にご飯食べるってこと?)
(やったー!)
ゲームのおかげで、詩音くんが前よりよく話してくれるようになった気がする。
(それまでは、声を聞くことなんてほとんどなかったもんな。会話も、首を縦か横に振るだけだったし)
そう思うと、胸の奥がちょっとくすぐったくなった。
ガチャッ。
詩音くんもオムライスを持って休憩室に入ってきた。
「詩音くんもオムライスだ。前もこんなことあったね」
夏休みに初めて一緒にご飯を食べた日のことを思い出す。
詩音くんは私の斜め前に座ると、
「……うん」
と答え、小さな声で「いただきます」と言って食べ始めた。
私たちは遅めの昼食を済ませると、お互い何も言わないままゲームを始めた。
ほぼ毎晩一緒にクエストに出ているせいか、連携はもう完璧だ。
「あっ、三波さん、今回復するね」
「ありがとう」
「あっ、危ない!」
「うわっ、見てなかった。ありがとう」
『ありがとう』という言葉が、こんなにも自然に出てくる関係って素敵だと思う。
気づけば、詩音くんはゲームの中でも現実でも、何度も私を助けてくれていた。
そういうところが、私は好きなんだろうな。
(前にランチに入った時は夏休みだったのに、もう冬休み…。時間が経つのは早いな)
忙しいランチが久しぶりで忘れているかと思ったけど、身体が覚えてるみたいですぐに感覚を取り戻した。
忙しさのあまりあっという間に時間は過ぎた。
「風香ちゃん、休憩入ってー」
「はーい」
そう言うと、休憩室に向かった。
「はぁ、疲れたー…」
椅子に座ると、ドッと疲れが押し寄せてきた。
『久しぶりに働きすぎだよ』って身体に抗議されてるみたい。
急に体が重くなり、まるで体重が倍になったかのようだった。
椅子の背もたれに体を預け、だらりと座っていると、
コンコンコンッ
ドアをノックする音が聞こえた。
「はーい」
首を後ろに倒したまま返事をする。
すると――
詩音くんが、トレーにオムライスを乗せて入ってきた。
私は突然の登場に、ガタンッと大きな音を立てて座り直した。
「詩音くん? なんでここに?」
「部活終わって帰ってきたんだ」
そう言うと、トレーを私のところまで運び、目の前に置く。
「これ、三波さんのお昼ご飯だって預かってきた」
(うわぁ、いい匂い……)
(いや、そうじゃない。お礼っ)
「持ってきてくれてありがとう」
「俺も腹減ったな。何かもらってくる」
そう言って、詩音くんは再び休憩室を出ていった。
(『俺も』だって)
(『腹減った』だって、ふふっ)
(可愛いなぁ……)
そして、そこでようやく気づく。
(えっ? ってことは……)
(ここで一緒にご飯食べるってこと?)
(やったー!)
ゲームのおかげで、詩音くんが前よりよく話してくれるようになった気がする。
(それまでは、声を聞くことなんてほとんどなかったもんな。会話も、首を縦か横に振るだけだったし)
そう思うと、胸の奥がちょっとくすぐったくなった。
ガチャッ。
詩音くんもオムライスを持って休憩室に入ってきた。
「詩音くんもオムライスだ。前もこんなことあったね」
夏休みに初めて一緒にご飯を食べた日のことを思い出す。
詩音くんは私の斜め前に座ると、
「……うん」
と答え、小さな声で「いただきます」と言って食べ始めた。
私たちは遅めの昼食を済ませると、お互い何も言わないままゲームを始めた。
ほぼ毎晩一緒にクエストに出ているせいか、連携はもう完璧だ。
「あっ、三波さん、今回復するね」
「ありがとう」
「あっ、危ない!」
「うわっ、見てなかった。ありがとう」
『ありがとう』という言葉が、こんなにも自然に出てくる関係って素敵だと思う。
気づけば、詩音くんはゲームの中でも現実でも、何度も私を助けてくれていた。
そういうところが、私は好きなんだろうな。