僕の父親はコックリさん
 妖は内心そう思うが、妖と正雄がいる場所は階段の最上部だ。ここから走って間に合うとは到底思えない。焦りだけが一気に湧き上がってきて棒立ちになる妖の横で、正雄が動いた。
 正雄は悲鳴が聞こえてきたと同時に大きくジャンプをして、落下していく女子生徒の体を抱っこしていたのだ。お秘めさま抱っこをした状態でそのまま難なく地面に着地する。
 それはほんの一瞬の出来事で、妖も女子生徒の連れも唖然として声も出せなかった。
「あ、ありがとうございます」
 最初にか細い声で言ったのは、正雄に助けられた女子生徒だった。その子は顔を真赤にしてお姫様抱っこをされている。
「怪我は?」
「だ、大丈夫です!」
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