僕の父親はコックリさん
 そう言って早足で来た道を戻り始める。腕を掴まれている洸平は無理やりそれについていくしかなかった。
「おい、なにするんだよ!」
 ぐいぐいと引っ張られて何度もこけそうになる洸平は顔を真赤にして怒っている。しかし、正雄はそんなことにも気がついていない様子だ。
 大股でずんずん進んでいくふたりの後を妖は見失わないようについていく。
 正雄は途中の分岐点まで戻ってきたかと思うと、そこを右へ曲がり、更に進んでいく。アパートからはどんどん離れていっていることになる。
「おい、いい加減腕を離せよ」
 ずっと男に腕を捕まれた状態でいる洸平は不満顔だ。けれどやはり正雄は気が付かない。
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