僕の父親はコックリさん
 そこから見た光景は泥水がゴウゴウと唸り声を上げて流れていく景色だった。
「今の声、どこから聞こえてきたんだ?」
洸平がいくら目を凝らしてみても周りに人間の姿は見えない。だけど確かに助けてという声は聞いていた。
「川の中だ」
 正雄が濁流が流れる川を指差して答える。
「でも、誰も見えないぞ?」
「きっと、濁流に飲まれたんだ」
 洸平の言葉に返事をしながらも、正雄はすでに靴を脱ぎ始めていた。
「なにする気だ? さすがに川に入って助けることはできないだろ?」
「だけど、このままじゃ死ぬかもしれない」
「助けを呼んで、それから……」
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