僕の父親はコックリさん
「よし、大丈夫だ。きっとうまくいく」
正雄は自分に言い聞かせるように呟くと、左腕の中で目を閉じている少年へ視線を向けた。自分が気が付かなければ少年は今頃どうなっていたかわからない。とっくに下流へ流されていた可能性もある。せっかくこうして掴んだ命だ。絶対に手放さないと決めた。
正雄は一瞬岩から手を離した。その瞬間、濁流に飲まれて頭まで水の中につかる。慌てて目を開けると川の中は濁った水と流れてきたゴミとでまるで地獄のようだった。けれどそれもほんの一瞬。正雄は腕をいっぱいに伸ばして蔦を掴んでいたのだ。
「引け!!」
蔦におもさが加わったことを感じた妖が叫ぶ。
正雄は自分に言い聞かせるように呟くと、左腕の中で目を閉じている少年へ視線を向けた。自分が気が付かなければ少年は今頃どうなっていたかわからない。とっくに下流へ流されていた可能性もある。せっかくこうして掴んだ命だ。絶対に手放さないと決めた。
正雄は一瞬岩から手を離した。その瞬間、濁流に飲まれて頭まで水の中につかる。慌てて目を開けると川の中は濁った水と流れてきたゴミとでまるで地獄のようだった。けれどそれもほんの一瞬。正雄は腕をいっぱいに伸ばして蔦を掴んでいたのだ。
「引け!!」
蔦におもさが加わったことを感じた妖が叫ぶ。