僕の父親はコックリさん
 来客たちを飽きさせない工夫もちゃんとされているようで、銭湯が次々となくなっていく中ここだけはしっかりと経営が続いている理由がわかる気がした。
「さて、そろそろ入るか」
 正雄がそう言って立ち上がる。
「ん? お前体洗ったか?」
 まだ洗体途中の洸平が顔をあげて尋ねる。
「洗ったよ」
 正雄はそう返事をして湯船へと歩き出した。
「洗ってたか?」
 洸平はまだ不審そうな表情を浮かべていて、妖はその質問に左右に首を振った。
 見ている限りでは正雄は軽くシャワーを浴びただけだった。病院で一旦体を洗っているからそのくらいでいいと思ったのだろう。
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