僕の父親はコックリさん
 足音を忍ばせて廊下へ出ると、通路にあるキッチンとは逆の壁に視線を向ける。そこにはふたつドアがあり、ひとつがトイレ、もうひとつが風呂場だ。
 明かりをつけるわけにはいかないので、そこもスマホのライトだけでドアに手をかける。妖が手前に力を込めると、折れ戸が音を立てて開いた。その音に一瞬ヒヤリとするけれど、寝室から正雄が出てくる気配はない。
 ふたり同時にふぅと息を吐き出してライトで浴室内を照らし出す。
 浴室内は思っていた以上に綺麗で白いタイルにはカビひとつない。目の間の壁に設置されている鏡にはちゃんとふたりの姿も映し出されている。
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