僕の父親はコックリさん
 これだけならアパートの風呂を使いたがらない理由は見当たらなかった。しかし、ドアを空けた途端にツンッと酸っぱいような刺激臭が鼻を刺激してきて、妖は顔をしかめた。
「なんだこの匂い」
 それには洸平も気がついているようで、くんくんと犬みたいに鼻をならした。
 妖がライトで浴室内をくまなく照らす。すると本来そこにあるはずの椅子や風呂桶シャンプーなどがなにも置かれていないことに気がついた。
 更に奥へ光を当ててみると、湯船の上にはしっかりと蓋がされている。どうやら異臭はその下から流れてきているようだ。。
「なんか、嫌な予感がするな」
 妖の後ろで洸平が顔をしかめ、その姿が鏡越しに見えた。
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