僕の父親はコックリさん
「なんなんだろうな、この匂いは」
 嫌な匂いだけれど、どこかで嗅いだことがあるような気もする。少なくても生き物の腐敗臭などではなさそうだ。
 妖が恐る恐る洗体所へ足を踏み入れた。銭湯ほど広くないその場所は一歩踏み込むだけで一気に湯船に近づく。
「き、気をつけろよ?」
 洸平は声をかけるだけで自分が前へ出る気はなさそうだ。
「後ろから照らしてくれ」
 妖は湯船の蓋を開ける前にスマホを洸平へ手渡した。万が一湯船の中に落ちてしまったら困る。
「わかった。まさせろ!」
 力強く頷き、妖からスマホを受け取ると浴室内を照らし出す。
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