僕の父親はコックリさん
 妖がゴクリと唾を飲んで右手を湯船の蓋にかけた。それはくるくると巻いて立てておけるタイプのもので、ほんの少し開いただけでば中を確認することができない。
 妖は意を決して蓋を大きく開いた。
 瞬間、ツンッとする刺激臭が濃くなる。咄嗟に後ずさりする妖が見たものは……。
「油揚げ?」
 そこには冷蔵庫に入り切らなかった大量の油揚げが、水の中にプカプカと浮いていたのだった。

 湯船に浮かぶ大量の油揚げを見てしまったふたりは居間へ戻ってきてからもしばらく放心状態だった。
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