僕の父親はコックリさん
「それならさっさと出てこいよ!」
 それでも正雄はのたうち回るばかりでキツネが出てくる気配はない。それほどまで正雄と一体化してしまっているのかもしれない。
 変化が顕著で出始めたのは今日だけれど、それまでの間キツネはずっと正雄の中に潜んでいたのだから、そうなっても不思議ではなかった。
 お守りを握りしめた妖はバアタバタと苦しむ正雄の前に立つ。
「怪!」
 近所迷惑顧みずさっきよりも大きな声で唱える。
 その時正雄の体がひときわ大きく撥ねた。腰を上げて腹を突き出したかと思うと、へそのあたりから黒いモヤが浮かび上がってくる。それはキツネの姿をしていて、窓の外へと逃げ去っていったのだった。
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