僕の父親はコックリさん
 ガラッと戸を開けて一歩足を踏み入れたとき、ここでもまだ妙な匂いを嗅いだ。酸っぱいような、甘いような変な匂いだ。それと獣臭がまざってすでに鼻はまがりそうだったが、これから風呂に入るために湯船を掃除しないといけない。
 正雄は首を傾げつつ右手を伸ばして蓋に手をかけた。そして蓋を空けた瞬間……「ギャアアアアア!」と、断末魔のような悲鳴がアパートの一室に響き渡ったのだった。





元の生活へ

「なんだよこれどういうことだよ!」
 浴槽の様子を確認した正雄は何なきになりながら居間へ戻ってきた。
「油揚げだ」
 洸平が冷静な声で答える。
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