僕の父親はコックリさん
「だから! なんで俺の部屋の浴槽にあんな大量の油揚げが浮かんでるんだよ!」
「冷やして食べるつもりだったんだろ? 夏だから」
 そう答えたのは妖だった。実際に油揚げは生身のままで水に浮かんでいて、よく冷えていそうだった。
「そんなことするわけないだろ! 油揚げは苦手だって知ってるだろ!?」
 涙を浮かべて必死で抵抗している様子を見ると本気で嫌がっていることがわかる。
 妖と洸平は目を見交わせて頷きあった。どうやらキツネは完全に正雄野中から出ていったらしい。これならもう安心だろう。
 そう判断して同時に立ち上がる。
「じゃ、俺達は帰るから」
 洸平の言葉に正雄は目を見開いた。
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