僕の父親はコックリさん
 包み込むような声色にふたりはハッとして視線を向ける。母親が穏やかな笑みを浮かべて妖を見つめていた。
「仮面をつけているように見えるのは、周りの人を傷つけたくなくて、つい距離を保ってしまうからじゃないかしら?」
 少女のように首を傾げて言う母親に妖の緊張した心がほぐれていく。誰も傷つけたくない。自分だって傷つきたくない。その気持は時として人との間に距離を作ってしまう。
「それでも、今ここに洸平くんがいてくれてとても嬉しいわ」
 母親が洸平へ視線を向けることで、つり上がっていた目がゆるりと元に戻っていく。
「そうですね。俺も、嬉しいです」 
 洸平はさっきよりも穏やかな声でそう答えたのだった。
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