僕の父親はコックリさん
 そう促されてもすぐに帰るわけにはいかない。洸平をここへ連れてきたのは黒羽に合わせるためだ。今日電車内で実家へ来ないかと誘った理由もここにある。
「そういうわけにはいかないんだ」
 妖の言葉に浩平は目を大きく見開き、そしてなにかを察したように逃げ出そうとした。寸前の所で妖が浩平の腕を掴んで引き止める。
「なにすんだよ!」
 浩平は今にも噛みつかんばかりの威勢の良さで暴れ、妖は仕方なくその場に浩平の体を押し倒す形になってしまった。
 浩平をうつ伏せにして地面に組み敷いた状態で、妖は黒羽を見つめる。
 黒羽はすでに優しい笑顔を消して険しい表情へ変化していた。
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