僕の父親はコックリさん
「父はどうして寺の前で倒れてたんでしょう?」
「確か結婚挨拶の帰りだったと言っていましたよ。よほど変化に力を入れていたんでしょう」
 黒羽は思い出して口の中だけで笑った。あのときの志門は黒いスーツを着て、髪の毛も黒に染めていた。その状態で完璧な人間の男を演じてきたのだから、疲れていても不思議ではない。倒れるほど自分の力を使うなんて、どれほど香に入れ込んでいたかがよくわかる。
「ほら、もうすぐそこだよ」
 車が左へ折れると目的地が見えてくる。妖は後部座席で居住まいを正し、隣で不安そうな表情を浮かべている浩平に頷いてみせたのだった。










 

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