僕の父親はコックリさん
 妖の父親が、友人らを苦しめることに一役買っていた可能性がある。その言葉は飲み込んだ。なんにせよ、父親は浮気などしていなかったのだ。思い込んで突っ走るのはよくないと思い直す。
「大丈夫。きっと理由があるはずです」
 黒羽はそう言うと数珠を強く握りしめた。
「行きましょう」
 自分に言い聞かせるようそう言い、本殿へ続く階段を上がり始めたのだった。

 ほんの二、三段の木製の階段を上がるのにものすごく両足が重たく感じられる。妖は一歩一歩踏みしめるようにして階段を上がった。
 黒羽は木製の扉に手を掛けている。少しでも扉を開けば建物は崩れ落ちてしまいそうな危うさがあり、その動作は慎重だ。
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