僕の父親はコックリさん
 足元の板がギシギシと音を上げて今にも穴が空いてしまいそうだ。ここにはそう長居できなさそうだ。総判断した妖は父親の匂いの先へ足を向けた。本殿に入ってからその匂いは更に濃くなってきている。ここにいることは間違いない。
「こっちです」
 後ろからついてきている黒羽に声をかけて足早に奥へと向かう。
 そこには本来御神殿が置かれていた大きなスペースがあった。
「おやじ!」
 御神体の代わりにそこにいたのは妖の父親だったのだ。志門は妖を見て白い歯をニッと見せて笑った。
「よくここまで来たなぁ」
 なんでもない口調で言いながらもその声は枯れているし、変化もほとんど解けて耳や尻尾が出てきてしまっている。
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