僕の父親はコックリさん
 唯一着物姿をしているものの、白い着物はひどく汚れてしまっていた。なにより妖が驚いたのは志門の体が半分ほど浮き上がって静止していることだった。
 志門は両手を空中に上げた状態で、まるでキリストのような状態でとまっているのだ。
 これはどういうことだ……。
 妖はなにかに気がついたように息を飲み、目を細めて自分の父親を確認した。金色に光る目で見たその光景は異様なものだった。
 志門の両手は手首から湧きにかけて黒いモヤで包み込まれていて、それがロープ代わりになって宙吊りにされているのだ。
 これでは逃げ出そうにも逃げ出すことができなかったはずだ。
「少し怪我をしたのか、大丈夫か?」
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