僕の父親はコックリさん
「包帯を巻いてやりたいんだけど、手伝ってもらえるかな?」
 父親がそういった視線の先には母親がいる。母親は笑顔で承諾して、見えていないはずの狸の前にしゃがみこんだ。
 見えないのにどうするんだろう?
 そう思いながら様子を見ていると、「この辺に狸の足がある。そう、そこ」と、父親がアドバイスをして、母親が包帯を巻いていく。
 包帯はその場にハラハラと落ちていくばかりだけれど、狸の足にはうすぼんやりとした包帯がしっかりと巻かれていくのを妖は見た。
 それは父や母から発せられる優しさでできている、妖怪のための包帯だとなんとなく理解できた。
「はい、できあがり。これでもう痛くないわ」
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