僕の父親はコックリさん
 妖は震える手でお守りを握りしめる。黒羽の経の効果が力士になったキツネにもあるようで、時折苦しそうな表情を浮かべている。
「こいつらだって、自分の居場所を取り戻したかっただけなんだ。ただ……それだけ」
 妖は両手でお守りを握りしめる。
 そして大きな声で「怪!」と叫んだ。途端に腹の上のキツネの変化が解けた。その瞬間に妖は跳ね起きる。
「黒羽さん、そのまま経を唱えててください!」
「もちろんだよ!」
 妖はもう一度父親の前に立つとお守りを握りしめた。まだ腹部がキリキリと痛むけれど、もう大丈夫だ。もう、怖くない。
「オヤジが母さん一筋だってことはよくわかったよ」
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