僕の父親はコックリさん
 煙る視界の向こうから黒羽の腕が伸びてきて妖の手を掴んだ。強引に走らされてつんのめる。
「お父さんが!!」
 走りながらつい口走る。出口はすぐそこにあるのに、志門は動けない。自分たちだけで出ていくわけにはいかない。
「そんなこと言ってる場合じゃない!」
 黒羽が扉を大きく開く。歪んだ扉はようやく一人分だけ開いて、ふたりは同時に外へと飛び出した。
 崩れ落ちる本殿から転がるようにして逃げ出した妖は、次に耳をつんざく轟音を聞いていた。
 メキメキと太い問柱が折れる音。様々なものが落下して、壊れていく音。本殿の屋根が真逆さまに落ちていくのを見た。
「お父さん!!」
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