僕の父親はコックリさん
 みすぼらしい姿のキツネは完全に変化が解けた志門だった。あの瓦礫の中で脱出するには人間の姿でいることはできず、やむおえずにキツネに戻ったらしい。そうして隙間から這い出したものの、そのときにはすでに妖たちは寺の付近にはいなかった。かくして、志門はひとりでここまで帰ってきたということだった。
「やれやれ、とんんだ勘違いでした」
 黒羽がハンカチで額の冷や汗をぬぐって言う。
 香はくすくすと笑いながら全員分の麦茶を用意していた。
「あの人は元々死んでますから、死ぬ心配はしていませんでした」
 香の言う通りだ。志門の変化力の強さに、つい忘れてしまうことだった。
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