僕の父親はコックリさん
 不意に脳裏に浮かんできた言葉はそのまま口に出てしまっていた。
「え? どうしたの?」
 克彦に腕をからませたままで花子が小首をかしげる。
 克彦は咄嗟にその腕を振り払っていた。
「お前、花子ちゃんじゃないな」
「なに言ってるのかわからないよ」
 花子が悲しげに瞳を揺らす。
 だけど騙されないぞ。お前は花子じゃない!
「本物の花子ちゃんはさっき帰っていった。お前は誰だ」
 克彦の言葉に花子は首を傾げたまま表情を失った。なにを考えているのかわからないのっぺりとした顔。
 ゾクリと背筋に冷たいものが流れた次の瞬間、花子は克彦に背を向けて走り去って行ったのだった。












捜査開始
< 57 / 352 >

この作品をシェア

pagetop