僕らの青春創作日記
必死に笑いを堪えていたのに。

「ふっ」

小さな笑い声が漏れてしまった。

慌てて口元を押さえながら俯く。

笑わないようにしているのに、頬が緩んでしまう。

これも全部、遼くんのせいだ。

「それで、ここは〜」

遼くんは構わず説明を続ける。

やめろ。

それ以上は。

面白すぎて腹筋が割れそう。

なんで国語の授業なのに、こんなに笑いを堪えなきゃいけないのよ。

無理。

死ぬ。

物静かそうな顔して、なんでこんな面白いのよこいつ。

「なんでこうなったと思います? 俺は〜」

いちいち問いかけてくんなし。

しかもなんだ、その動き。

「そうしてこうなってしまったんですよ。けど〜」

知らねえよ。

とりあえずその動きをやめてくれ。

私の気も知らないで、遼くんは説明を続ける。

変な動きをしながら。

喋り方も。

動きも。

文章も。

間の開け方も。

問いかけ方も。

全部が面白くて。

私は初めて、隣の席の人とのコミュニケーションが楽しいと思った。

「――って、俺は思いました」

説明を終えた遼くんが、どうだった?と言いたげな顔でこちらを見る。

正直、笑いを堪えるのに必死で内容はほとんど入ってこなかった。

声が震えているのを悟られないように、

「いいと思う」

そう答える。

感想が短すぎたかな。

そう思ったけれど、遼くんは気にした様子もなく、

「鈴夏はどうだった?」

そう言って、大人っぽい笑みを向けてきた。

黙っていればクール系のイケメンなのにな。

もったいない。

そんなことを思いながら、

「私はね、こう考えたよ」

会話を続ける。

所詮はクラスメイト。

偶然、隣の席になっただけ。

彼は陽キャで、私は陰キャ。

仲良くする必要なんてないし、仲良くなる必要もない。

そう思っていたのに。
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